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逗子コンペ

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6月19日(土)に「逗子市第一運動公園再整備基本計画策定及び基本設計業務」公募型プロポーザルコンペの公開プレゼンテーションと二次審査があった。僕らは、神大OBで現在非常勤講師をお願いしている横浜の建築家・鈴木信弘さんとともに、「鈴木アトリエ+NODESIGN+神奈川大学中井研究室」というチームで参加した。応募77組から一次審査を通過し、二次審査対象の7社に選ばれていたのである。

結果は惜しくも「次点」。「最優秀」に選ばれたのは、伊藤寛さんのチームだった(ちなみに伊藤さんも鈴木さんと同じく神奈川大学出身)。

今回のコンペは、逗子市の中心地区にある第一運動公園の再整備で、多目的ホールを含む体験学習施設の建設やプール施設、駐車場類の再編などが求められていた。現地を見ると、緑が豊かで良い環境を作り出している。プールも老朽化はしているが、周囲の住宅地から離れたよい位置にある。駐車場もひとつにまとめてほしいと要項にはあるが、散在する施設配置を考慮すると、現在のように2か所に分かれていた方が便利にも思える。公園内のメインの道も、少し整備すれば綺麗な並木道になりそうだ。たった10億円という総工費を考えると、こういう施設配置はあまりいじらず、それよりも人々の活動をサポートする場をつくる環境整備にお金をかけた方がいいと考えた。ただし、こうした運動公園にはありがちなことだが、プールや野球場、こども広場などの各場所が、単に散在しているだけで、とりとめがなく、またアクセスの核となる場所もない。

僕らの提案はきわめて単純で、こうした既存の環境を最大限活かしつつ、公園を東西に貫く、約180mの「庇のみち」を挿入することであった。「庇のみち」は、文字通り庇だけがずーっと続く半外部である。そこは通路でもあり、日影で一休みできる場所であり、また災害時の救援拠点でもある。この「庇のみち」に沿って、駐車場やプール、体験農場、広場、そして廃止される50mプールの掘込みに多目的ホールを収め、高さを抑えた体験学習施設が隣接する。施設を利用する人々は、必ずこの「庇のみち」を行き交い、通り抜け、立ち止まり、休み、時間を過ごす。いろんな活動の場を隔てつつ、緩やかに結びつけることにより、この「庇のみち」は、シンプルでありながらも、人々の活動をそっと支える公園の、いわば「名脇役」になっているはずである。

公開プレゼンでの審査員のコメントを聞いていると、この「庇のみち」がヘビーなものに見えてしまったようだが、広い公園のなかで木々の間を縫うように、軽やかに一枚の長い庇が浮かんでいる風景は、とてもさりげなく美しいものになると思う。プール、体験学習施設、体験農場、ドッグランなどの多彩な内容を含むコンプレックス公園は、人々のいろいろな活動自体が風景をつくりだす方が楽しい。僕らはとにかく公園の環境に建築が出すぎることをできる限り避け、そのかわりに、人々のさまざまな活動を支え、それらの人々をさりげなく見守るような場所を提供したかったのである。そのことが伝わったなら、とてもうれしい。

今回は、神奈川大学中井研究室の修士1年が中心となり、また4年生も参加して我々チームが一丸となって取り組んだ。実力のある7組のなかから、次点にまで残ったことは、短い制作期間にも関わらず、みんなのがんばりの成果だと思う。前回の「浅草」に続き、残念ながら実施案選出には至らなかったのは悔しいが、またいろいろ勉強になった。次回に活かしたい。(N)
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by nodesignblog | 2010-06-23 02:05