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江古田Kスタジオ / 鈴木アトリエ

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先週の土曜日に、神奈川大学の授業で講師をお願いしている鈴木信弘さんが設計された「江古田KスタジオQUIET BRANCH」を見学させていただいた(右写真:鈴木アトリエHPより。http://www008.upp.so-net.ne.jp/atelier555/)。スタジオ付き住居と、2つの賃貸ルームから成る建物である。駅から歩いて数分の商店街の、やや奧に長い30坪弱の角地に建つ鉄筋コンクリート3階の建物である。まず道に面した壁面仕上げが眼につく。適度な肌理の凹凸のあるテクスチャが不思議で、聞くと木毛セメント板を打込みとのこと。フェルトポケットによる壁面緑化を行う予定らしく、木毛セメント板は断熱と保水性をもつ下地だそうだが、このままの仕上げでもなかなか面白い。

建物は、道路側と奧の2棟に分かれる。道路側の駐車スペースの上に賃貸2戸が積まれ、奧は4層のスタジオ付住居となっている。駐車スペース奧にスタジオ(地階)の入口があり、入ると天井の高い打放しのワンルーム空間が現れた。部屋の奧=南側に螺旋階段と吹抜けがあり、光が上から降り注いでいる。この上に、DK、BR、水廻りの3室が縦に積まれている。南の吹抜けがスタジオ、DK、BRの3室を空間としてひとつにまとめ、トップライトからの日差しを各室へ届けている。3階の水廻りは、今後緑化されるはずの屋上テラスへ出られる開放的な空間である。2階のBRから外部踊り場へ出て賃貸室へ移ると、いきなり部屋の中央にアイランド型のキッチンカウンターが置かれた部屋に入る。部屋といっても、20㎡あまりに過ぎないスペースを合板張りの薄い間仕切りで四つに区切った、こぢんまりとしたパーソナルな場所がつくられている。窓際の一区画は広いバスルームになっており、FRP防水の真白な空間である。

鈴木さんの作品を実見するのは、昨年の「虹ヶ丘の家」以来2つ目だが、他の作品も写真では拝見している。これまで木造の、様々な木の表情を活かした丁寧な設計の印象が強かったが、今回の建物では、シンプルでドライなRCの仕上げが、かえって全体を引き締めている感じがした。強いていえばだが、奧に建てられたオーナーハウスの開放性と、手前の賃貸部分と奧のオーナーハウスとの分節の曖昧さが気になった。前者の開放性については、オーナーハウスの各部屋には外が見える開口が3階を除いてほとんどなく、RCの壁に取り囲まれている感じで少々圧迫感があった。たとえば南側は吹抜けではなく、吹抜けの幅+αを、狭くてもよいから完全に外部の庭として、開口部を設けてもよかったようにも思える(隣接建物との目隠しは必要かもしれないがコンクリの壁にしなくてもよいように思える)。また後者については、手前と奧の2棟は、もう少し明確に分かれていてもよかったようにも思える。とくに2階賃貸の水廻りがはみ出して奧の建物に接している部分などが無く、狭くてもよいので2棟間の中庭状の外部になっていれば、オーナーハウスの開口部もより多く設けられ、開放感が増したのではないだろうか。

だが、そうしたことはともかく、僕が最も興味をもったのは、手前と奧に分棟とした配置のアイデアである。建物のプログラムは、一言でいえばいわゆるオーナーハウス付アパートという、ごくありふれたもので、通常は下にアパート、上階にペントハウス住宅とするのが定着したパターンである(その代表例は山本理顕のハムレットやガゼボであろう)。しかし今回の建物は、そういう縦積み型ではなく、敷地の手前と奧に、横並びに分棟とする新しい方法を取っている。考えてみれば、日本の都市の敷地割は間口が狭く奧に深いタイプが多く、手間と奧ではその環境が大きく異なる。街との一体感をつくり出しやすい手前に対して、奧は道路から離れた落ち着いた環境をつくることができる。この建物には、ありがちなオーナーハウス付アパートというプログラムを、そうした一般的な敷地の特徴を活かして解決する可能性を感じることができた。それは、もしかしたら、日本のいたるところに存在する近隣商業地独特の、新たな都市建築モデルになり得るアイデアではないかと感じた。(N)
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by nodesignblog | 2009-07-20 19:54

葵の上、熊野

e0105010_24233.jpg(撮影:米井美由紀)

ゴールデンウィークなのでだいぶん前なのですが、
鳥取市鹿野町にある「鳥の劇場」での公演の様子を紹介します。

上演されたのは、三島由紀夫の現代能楽集から「熊野」と「葵の上」。
上の写真はアフタートークの様子。上演後には、演出した中島さんとお客さんが
いっしょに話をします。

「私、”葵の上”を観るのは2回目なんですけど、前回別の場所でやったときと演出が
違ったのはなぜですか。」とか「三島のテキストの美しさが出ていた。」とか、次々と会話が
進みます。鳥の劇場ではレパートリー公演も含めて年に4,5回は公演があります。
近くに住んでいたら、いつでも質の高いお芝居を観ることができて、演出が違えばその違い
についてたずねることができます。みな熱心。

e0105010_2515889.jpg(撮影:米井美由紀)

葵の上より
光源氏の正妻、葵の上を恨み殺そうとする源氏の愛人、六条御息所を題材にした現代劇。
愛人の六条康子を演じるのが男性で驚きました。確かに力強くて雄々しい女性ですが、
持っている念のタイプは「女性」だなあと。女性バージョンも観てみたいところです。

写真は、かつて、ともに過ごすため、光と康子がヨットに乗り湖上の別荘へ向かうシーンの回想。
”こんなに楽しかったじゃない、私を捨てないで”と光にすがる康子。
康子の思いは生き霊となって、光の妻あおいをのろいで殺してしまいます。
汗とつばを飛び散らせてすごい迫力。


e0105010_2531640.jpg(撮影:米井美由紀)

熊野より

平家物語の、平宗盛と妾の熊野(ゆや)のやりとりを現代風に。

実業家の宗盛と愛人熊野は、同じ空間にいながら全く違う価値観で会話をしています。
熊野は感情で生きているような女性で、病気の母を思って(実は嘘ですが)うちひしがれ
ていて、宗盛は人の感情を歯牙にもかけない。それよりも哀しそうにしている熊野の
美しさの方が重要なのです。
哀しんでいる美しい熊野を連れて、今年一番の桜を見物へ行きたい宗盛と、一刻も早く
母の元へ行きたい熊野との不思議なコミュニケーションです。

シリキレですが遅いのでまた後ほど。
(O)
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by nodesignblog | 2009-07-01 03:03