<   2009年 04月 ( 2 )   > この月の画像一覧

Tokyo Tech Front

e0105010_245530.jpg

4月25日、あいにくの雨天だったが、東京工業大学のTokyoTechFront(TTF)の見学会へ行って来た(上写真:筆者撮影)。この建物は、坂本一成研究室(デザインアーキテクト)と、東京工業大学+日建設計(設計)とによるもので、僕が2008年3月に坂本研究室を出るまで、基本構想から基本設計の確定、実施設計の途中まで参加していたプロジェクトでもある。途中、さまざまな困難にぶつかったので、まずは、無事に竣工したことがめでたい。

敷地は東工大の構内だが、東急の大岡山駅前広場に面した好立地なので、大学施設としては画期的なことなのだが、駅前からだれでも自由にアクセスできるように、駅前広場と敷地内の広場が柵や門なしに連続している。大岡山駅前には、篠原一男設計による東工大百年記念館がシンボリックにそびえているので、坂本一成教授を中心とした我々チームの課題は、篠原作品と対立しないように「形態」は抑えつつ、東工大の同窓会である蔵前工業会も収容される、いわば「大学の顔」となるTTFに、どのような存在感を与えることができるかにあった。その方法は、月並みな言い方だが「空間構成」だったと思う。具体的には以下のふたつのことである。ひとつは分棟形式による外部空間のデザインである。延床面積4000㎡程度の建物だが、ひとまとまりにすると、この場所には結構大きな建物になってしまうので、建物を3つに分けた。計画初期段階には、ホールと同窓会館以外の用途が曖昧だったので、先に建物のサイズから決めてしまったのである。その結果、百年記念館や周囲の雑居ビルなどと並んでも、違和感のないスケール感をもち、自然な駅前の風景がつくりだされることを目論んだ。実際に見てこのイメージは実現できていると感じた。ただ、それだけだと周囲に埋もれてしまいかねないので、棟間の広場にPCのパーゴラを架け、外部空間でありながら大学へのゲートしての存在感を与えている。このパーゴラの必要性や、高さや大きさなど、設計ではとても難しいポイントであったが、駅前から見た感じは、その存在が全体をまとめ、かつスケールもほどよく収まっているように感じた。そしてもうひとつは、人々を導く多方向動線のデザインであった。駅前から連続する広場だけでなく、商店街側からアクセスできるスロープが設けられ、それがホールを貫通して建物の反対側まで到達する。将来的には、ブリッジによって線路の反対側のキャンパス敷地まで動線をつなぐことも想定している。このように、建物の四方から、かついろいろなレベルで、内外を横断するように建物にアクセス出来る。この動線要素が、建物の空間構成を立体的で複雑なものにしている。とくに2階のブリッジレベルは、広場と内部と動線が錯綜した、不思議な風景が展開していた。

先輩の某建築家からは、「あのホールを貫通するブリッジって、百年記念館の3階のシリンダーの扱いに対する皮肉?批判なんじゃないの?」と、鋭いコメントをいただいた。たしかに篠原は、あのシリンダーとマッスの関係を「都市のカオス」だとか「零度の機械」へのメタファーとして示したが、それは先に「形態ありき」の空間表現だったといえる。しかし坂本研究室のTTFでは、カオスでは必ずしもないかもしれないが、同様に駅前の活動や、商業、人々の流れなどといった、都市の雑多なリアリティに意識的であろうとし、それを空間構成で表現しようとしている。形態はその結果に過ぎない、くらいの位置づけである。そういう意味では、TTFは極めて没形態的、没表層的であり、百年記念館と、さらには大岡山駅上の、緑化の「表層」に覆われた東急病院と、よい対照を成している。TTFだけでなく、これらの建物に囲まれて、駅前広場としてもなかなか面白い空間になっているので、ぜひ一度見てみてもらいたいと思う。それから、僕は実施設計の途中までしか関われなかったが、杉山さん、實藤さん、原田さんはじめ日建設計のみなさんには本当にお世話になったので深く感謝したい。ありがとうございました。(N)
[PR]
by nodesignblog | 2009-04-30 00:44

ビーチアニマル

2008-2009年は、日本・オランダ年だそうで、その一貫として開催されているテオ・ヤンセン展へ。
日比谷パティオ特設会場で4月12日(日)まで。1500円。テオ・ヤンセン展HP
テオ・ヤンセンは、物理学専攻→画家→ビーチアニマル制作、という経歴のオランダのアーチストです。



美しくて不思議な光景です。
ほかにもたくさん動画があります(もう数年前から話題のようです)。

すごく複雑に見えますが、近寄ってみるとすごく単純な接合部でした。
どこにでもあるプラスチックのチューブとひも・・・。単純というより原始的。
風を受けると動き続け、会場にある手で押すタイプも少しの力で進みます。

まだまだ進化し続けるそうです。夢は、テオ自身が死んでもビーチアニマルは自分たちの力で生きていること。
風向き感じて羽を閉じたり、満ちてきた波をよけるために移動する機能を入れたいのだそうです。

思考の賜物。
何がこれを作らせたのか。

(o)

接合部
e0105010_1064890.jpg


駆動部
e0105010_1065830.jpg


立ち姿
e0105010_107175.jpg
[PR]
by nodesignblog | 2009-04-06 13:07 | 展覧会