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日経アーキテクチュア

e0105010_19394437.jpg日経アーキテクチュアの2007年11月26日号に、老人ホーム「グリーンヒル」が掲載されました。「ケーススタディー 高齢者・医療施設 -発想の転換が求められる時代に」(p.84~)の92頁「吹き抜けを介して積層する都心の住まい 有料老人ホーム グリーンヒル(名古屋市)」です 。

設計を始めた2002年頃は、老人ホームの建設ラッシュで質より量という印象の施設がたくさん出来ていたと思います。ある規模の施設はどこでも同じようなインテリアで、あまり動けない人や自由に出掛けることができない人は息が詰まるだろうという印象でした。その後総量規制があり新しく建てることは難しくなったようですが。

老人ホームへ入居する際には、住民票を移し以前住んでいた家を引き払って越してくる方もいらっしゃいます。また、制度の変化も激しく影響も受けやすい施設なので、老人ホームという用途の前に単純に人が長く接する(住む)建物として空間の骨組みをつくることを考えました。

敷地周辺は建物が密集した地域です。そこで100人近くが生活するので、どうやって閉塞感なくのびのび生活してもらおうかというのが全体の建物の骨格を決めるメインのテーマとなりました。結果、道路側(外部)に面して、食堂やラウンジなどの共用部を各階に設けて、それを各階で位置のずれた吹抜けでつなぎました。吹抜けは建物全体を立体的につなぎ、じっとしていることが多い老人の方でも、少し見上げると外部や他の階の様子がうかがえます。

ライターの方には、朝の10時から夕方7時まで熱心に取材していただきました。 まず我々設計者、次にクライアント、施設長、介護スタッフ、その次は居住者の方へ。設計者は竣工後の建物にお邪魔する機会は少なく、ましてユーザーのお話を伺うこともめったにないのでよい機会でした。

居住者や介護スタッフの方へのインタビューも近くで聞いていましたが、我々がこうなったらいいなと思っていたことが予想以上に起こっていたので目頭を熱くしたところです。5階でボール遊びをしている様子が上階からも見えるので興味をひきやすく、スタッフが「○○さんもやりますか?」と他の階の居住者へ声をかけやすいとか、3階の食堂で映画上映会をしていると、ちゃんと観たい人はそこへ集まるが、大勢人がいるところへ行きたくない方は4階から観ているなど、、、。総じてコミュニケーションが起きやすいようです。ラウンジや食堂の共用部も竣工後3年経って各階に特徴が出ていて、画一的になりやすい室内でバリエーションのある場所が出来ていました。運営面や立地条件がよいことがまず印象をよくしているようでしたが、建物についても概ね満足されているようで安心しました。

ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。
(O)
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by nodesignblog | 2007-11-26 19:42