2月24日から3月1日まで、JIA神奈川主催の「横浜建築祭2015」が開催されている。
http://www.jia-kanto.org/kanagawa/event_week/2014/ その催しのひとつ、横浜みなとみらい線馬車道駅のコンコースでの展示のなかで、僕も研究会のメンバーとなっている横浜防火帯建築に関するパネル展示が行われている。 「防火帯建築」とは、戦後日本の都市不燃化を目指して計画された「防火建築帯」をなす建物のことである。国、自治体、市民が共同で実践したことや、沿道・街区型の建築形式など、日本の戦後復興期に生まれた、知られざるユニークな都市建築モデルといえるだろう。なかでも横浜中心地区の防火建築帯は、他都市のものの多くが通り沿いの「線的な」計画であったのに対して、大規模な街区型の「面的」なまちづくりが特徴とされた。約400棟の防火帯建築が建てられ、いまもその約半数程度が現存すると言われるが、老朽化や土地活用などのために、ひとつまたひとつと解体撤去されつつある。 僕の研究室では、神奈川大学大学院建築学専攻のプログラム「建築計画特論」と連動して、ここ数年横浜の防火帯建築に関するリサーチをおこなっている。その成果を、今回「BA/横浜防火帯建築研究」という冊子シリーズにまとめた。原則1建物1冊として、可能な限りの図面化と写真による記録を心がけ、またその理解と位置付けを解説文で試みている。本シリーズは、こうした防火帯建築について、主に建物自体の具体像を探る観点から、資料収集、現地調査、聞き取りなどを行い、記録し理解することを第一の目的にしている。そのことが、都市建築運動としての防火帯建築の実像究明と再評価、そして将来の都市建築のあり方の探究へとつながればと考える。馬車道の展示会場にも閲覧用サンプルを置いてあるので、立ち寄った際にはぜひ見ていただきたい(入手ご希望の場合には、bahenshubu@gmail.comまでご連絡を)。 横浜建築祭では、2月28日に朝から3つのシンポジウムが開催される。9:30からは情報文化センターのホールで、研究会座長の笠井三義さんがモデレーターとなって、防火帯建築に関するものがあるし、そのあともJIA神奈川代表の飯田善彦さんや副代表の小泉雅生さんら豪華メンバーが集う2つのシンポがある。また馬車道駅の展示では、上記の他、JIA神奈川の建築家らの作品や、神奈川大学を含む県下7大学の卒業設計や、茶室コンペの実施作品も展示されている。なかなか充実した内容なので、ぜひ足を運んでいただきたいと思う。
by NODESIGNblog
| 2015-02-27 15:23
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